お弁当今昔

昔からお弁当が好きで、人が食べているお弁当をチラッとみるのがとても好きでした。OL時代はビルの1階にそのビルで働いている人たちがお弁当を食べることができるエリアがあって、そこでは男性も女性もみんながお弁当を広げていて、毎日天国でした。自分で作った簡単なお弁当や奥様の手が込んだお弁当を食べるサラリーマン、地下にあるお弁当屋さんで買ったお弁当を食べる独身ぽいサラリーマン、OLの小さな小さなダイエット弁当。どれもこれも美味しそう。だいぶん前、インターナショナルな職場で働いていた時は、いろんな国籍の人がいて、その人たちのお弁当を見せてもらうのも好きでした。中国人のお母さんはご飯の上にこってりとした鳥肉にナッツやカラフルな野菜をざっと炒めた物を乗っけたお弁当、イギリス人の男性はお弁当ではないですが、10時くらいにふらっとコンビニに行き、ゆで卵とテトラパックで売っている枝豆をおやつに食べていました。

お気に入りのお弁当の本(平成)

お弁当の本では「どうやって蓋を閉めるのか、持ち運ぶことが考慮されているのかわからないような綺麗なお弁当が載っている本」よりも、リアルなお弁当が掲載されているものが好きで、クウネルからムックで発売されていた私たちのお弁当シリーズがとても好きです。登場しているお弁当はどれもリアルで、“自分のために作ったお弁当”といった感じで大好きです。

私たちのお弁当 (クウネルの本)

マガジンハウス
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この本はシリーズで第三弾まで登場しております。どれも私の宝物で、落ち込んだり風邪をひいて寝込んでいる時などは布団に持ち込んで布団の中で読んでいます。それくらい好きです。

江戸時代のお弁当

さて、お弁当の歴史は古く、江戸時代にもありました。(もちろん、戦国時代にもあったわけですが、そこは私の研究範囲を超えてしまいますので、江戸時代から)堺雅人さん主演の『武士の家計簿』という映画をご覧になったことはありますか? こちらに出てくるお弁当は、主に2種類あります。生活が良い時の豪華なお弁当と節約している時の質素なお弁当です。豪華なお弁当は、同僚も羨むお洒落な塗りの2段のお弁当箱に野菜の煮物とご飯、質素なお弁当の時は竹の皮にふかし芋とおにぎり、どちらもとっても美味しそうです!

武士の家計簿
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ちなみに江戸城にはお弁当部屋と言う部屋があったようで、お城に勤務する武士はお弁当を持参していた様子がわかります。
復元 江戸生活図鑑より

大正時代のお弁当

大正時代のお弁当は、国立国会図書館のデジタルコレクション和洋四季弁当料理の数々でみてみますと、すでにパン食が浸透しており、食パンのお弁当もたびたび出てきます。

また、現代だとお弁当は節約の意味もかねていそうですが、この時代は魚や貝などの魚介類が豊富に使われていて、とっても豪華です。
小さな楽しみとして、この本の口調をマネしながら料理すると、廚2っぽくてとっても楽しいです。「黒き煙の立ちたる時」というフレーズが特に好きです。

昭和のお弁当

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「日本の料理研究家の元祖」(とウィキペディアに書いてありました)江上トミさんの本が実家にあったので、いつもみていました。ずっと実家にあったけども、この本に載っているメニューがお弁当に入っていることはありませんでした。大正時代のお弁当が切ったり焼いたり、煮たりするだけ(一部、かまぼこを手作りするとか大変なものはあるものの)の単純な調理法だったのに比べ、昭和になると凝ったものが出てきます。なので、一般家庭で朝から作るには少し面倒だったのでしょう。また、昭和になると便利なレトルト商品も増えてきます。懐かしいイシイのミートボール、赤いウインナソーセージ、ふりかけ、さくらでんぶ・・・こう言うのを使えば、この本に乗っているような凝った物を作らなくてもなんとか形になりますもんね。驚いたことに、『四季のおべんとう(冬)』には、今で言う“おにぎらず”が載っていました。サンドイッチずしです。

江上トミ先生、すごい! 昭和はとてもいいお弁当の本がたくさん出ているのですが、料理本は汚れていることが多く、古書でもなかなか良い本が手に入りません。土井勝先生のお弁当の本は、見つけたらぜひ手に入れたいところです。

好きな物を自分のために作って自分で食べる:食べるを楽しむくふう

私はお弁当が好きなので、どこかに出かけなくてもお弁当を作って食べていました。家に篭るようになってからも朝お弁当を作っておき、昼はそれを食べると言う生活をしていました。今はもっと簡単な物を食べているのですが、お弁当を作っておけば、お昼のメニューに悩まなくて良いし、なにより自分が好きな物100%で作った自分のためのお弁当はどんな御馳走よりも幸せな気分になれます。



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