衣食住をかつぐ、登山や近江商人に学ぶ 風呂敷もおすすめ

私の趣味の一つに登山があります。登山は、泊まりがけならテント泊か山小屋泊になります。山小屋泊だと、持ち物は着替えのみで良いのですが、テント泊ならテントや寝袋、マットも必要です。また登山口と山頂では温度がかなり違いますので、山頂で泊まらない時でも防寒着が必要です。プラス麓では雨が降っていなくても、山頂や登山途中で雨が降ってくることもありますので雨具も持ち、その日のご飯とは別に行動食といって、登山途中でカロリーを補給する食べ物や飲み物と、水(だいたい2リットル)、救急セット、、、などなど、ほぼ衣食住を担いで登っています。ということは、もしかしたら背負える量だけで生きていくことも可能かもしれません。それは極端ですが、何か身軽に暮らすヒントになることがあるかもしれませんので、まとめてみました。

登山道具の軽量化とウルトラライト

登山を始めた頃は、昔ながらの重たいザック(リュックサックのことを登山ではこう呼びます)に、たくさんの物をつめて登っていました。その時使っていたザックはそれだけで1460gで、その中にバーナー、コッヘル(どちらも山頂で調理する道具類です)、雨具、エマージェンシーセット、防寒着、などなどを詰め込むと8kgくらいになりました。重くて心が折れそうになった時、ウルトラライトという登山スタイルを知りました。必要最低限の装備と、その厳選された道具を軽量化することで、身軽にハイクしようという試みです。登山は命を落とすこともあるので、私はできるだけ物は削らず、兼ねる物を使ったり道具自体を軽いものに変えたりしました。例えば、雨具は山頂での防寒着にも使う、ザックを軽いものに変更し、バーナーとコッヘルは固形燃料とより軽い飯盒に変える、ご飯がカップ麺などのお湯だけで良い時は、お湯を持っていき、バーナーを持っていかない 、などなどです。

江戸時代の近江商人の装備もウルトラライトだった?

近江(現在の滋賀)から全国各地を行商していた近江商人も、それこそ衣食住+商売道具を担いでいました。現代と違い、近江から江戸までの移動方法は徒歩で、16日くらいくらいかかります。その間持ち運ぶ荷物は現代で言うところの登山道具(テントなしの山小屋泊装備相当)にあたる宿泊道具一式に加えて、商売道具一式(台帳やソロバンなど)です。これを風呂敷に包んで各地を渡り歩いていたというのだから、どんな大荷物かと思えば、これがとてもコンパクトだったそうです。下は、東海道五十三次の錦絵の中にいる旅人です。

東海道五十三次_1

東海道五十三次_2
江戸時代は箱枕という、木の箱の上にふんわりした袋をくくりつけた枕を使っていたそうなのですが、この箱枕の中に小型の行灯(あんどん:現代で言うランタンみたいなもの、油に火を灯して使う)が入っていたり、他にも小さな秤や磁石などが入れてあったとか。また使わない時は小さく畳める提灯の持ち手には蝋燭が収納できるようになっていて、現代人も驚きのウルトラライト装備だったようです。

普段の生活にも取り入れるくふう

このように、身軽さを追求すれば、シンプルな暮らしも実現できそうです。本当に必要な物はごくわずかかもしれません。部屋の掃除ができず、いつも散らかった部屋にいると、こころも散らかってしまいます。スッキリと整頓された部屋でストレスを減らして暮らしませんか? 身の回りに不要な物、役割が兼ねることができるものを探して、普段の生活もウルトラライトにしてみませんか。

現代でも通用しそう、コンパクトな風呂敷利用のすすめ

この頃の古道具を見ていると、大小さまざまなサイズの風呂敷があったようです。とても大きい風呂敷は家の中で布団収納に使ったり、手ごろなサイズはエコバッグの代わりに使ったり、大きいものと小さい物を組み合わせて旅行に使ったり、とさまざまです。風呂敷は自由に形が変わるので、丸い物、四角い物、大きな物小さな物、細い物、なんでも包んで持ち運べます。形が決まっているエコバッグよりも便利かもしれません。また軽量化の面でも布一枚なので、とても軽いです。使わない時は、畳んで置いておけますし、寒い時は布団にかけたり、敷いたり、体に巻いたり、手が濡れたらさっと出して拭けますし、外ではちょっとしたレジャーシートの代わりにもなります。とにかくどんな使い方もできるのです。持ち運びの際は、結び目を工夫すれば、背中にも背負えますし、肩掛け、斜めがけもできます。
この春からレジ袋を使用しなくなると思うのですが、エコバッグの代わりに、ポケットからさっと風呂敷を取り出したりなんかすると、とってもかっこいいと思います! 風呂敷は新しく購入しなくても、家にある丈夫な布やお気に入りのリネンのクロスなど、どんなものでも使えそうです。身近な物で試してみてはいかがでしょうか。
東海道五十三次之内 原ノ図
『東海道五十三次之内 原ノ図』



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